デスゲーム
「お嬢様?あいつはもう来ませんよ。祈ってても無駄無駄」

「放っておいてください。隼人君は絶対に来ます。『信じて待ってろ』って言ってくれたから」


中村と雫の声だな。この倉庫に間違ないな。ここにあいつらはいる。


「信じても来ないものは来ないの。あと少しで終演だろ?」

「来ます!!『待ってろ』の意味は、絶対に来るという事実でしょ?勝てないからって負け惜しみはやめてください」

「そうそう、雫の言う通り。まだ0時まで時間はある。…勝手に舞台から降ろすなよ」


扉を開けて中をみると、荷物は端に避けられて広々とした空間だ。

雫は両手を後ろで縛られ、中村は高みの見物。黒スーツはザッと見で15くらいか。


「隼人君…」

「うっ…悪い、少し待っててくれ」


気分の悪さ再来。しゃがんで体調を整えるんだ。ちくしょー、ほとんど治ったと思ってたのに。


「もう。少しはカッコいい登場の仕方できないんですか?えへへ」

「来てくれて嬉しいくせに。そこまで期待されちゃ困るわ。中村から何かされたか?」
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