デスゲーム
「でも…私が教えたから……隼人君は…」

「その話はお終いにしたはずだろ。次俺が振り返ったら涙を見せない事。いいな」

「ハハハッ笑える。そいつに何の価値がある?嘘もつけないし駆け引きもできない。守る意味無しだね。

実際そいつ『デスゲーム』で何かしたか?顔がいい以外何が残るんだよ?」


ギリッと歯を食いしばり神崎を睨む。雫の事ズタボロに言いやがって…許さねえ。

何が分かる?こいつは雫の何を知ってんだよ!?価値がないのは自分だろうが。


「理解できないだろうな。どんなに辛い事や苦しい事があっても、どんなに泣いても怒っても、次は絶対に笑うんだよ。

雫は…必ず笑顔になって笑ってくれるんだ」


どうしてだろう。出会った時から今まで見てきた雫のイメージが溢れてくる。


「その華奢な身体にいくら重荷が乗っかかっていても、笑ってくれる。

今にも崩れそうなのに、それでも俺のために…皆のために精一杯頑張ってくれる。人の心配ばかり気にして、自分の身は二の次にして」
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