デスゲーム
「隼人君…隼人君…ぁ…ー…ぁ…ー…あああ」


声にならない雫の言葉を噛み締める。力を入れ、ひたすら抱き寄る雫。その力に、想いに、小さな身体に、心が痛む。

溢れんばかりの想いが心に駆け巡る。こんなことさせて…こんな想いさせてしまって…ごめんな。


「……楽しかったよ。雫といて幸せだった。…今まで…ありがとう」


「あああ……ぅ…ぅ……大好きなのに……愛してるのにぃ…」


ついに雫の身体が光に包まれ白く輝いた。その光はどんどん輝きを増す。そして……



ピキピキ……パリン!



白い鍵が、『デスゲーム』の指輪もろとも砕け散った。





「隼人ぉ…」


光の粒は拡散して消えてゆく。雫も、包んだ光と共に徐々に、そして…なくなった。もう…この空間にはいない。

手についた雫の涙を、ゆっくり…両手で握りしめる。


「守れた…それだけは絶対にしたかったんだ。……はは、今更か。俺だって同じ気持ちだよ。鏡のように」


俺の頬を一滴の涙が流れる。見せたくなかったんだ。今で…良かった。
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