デスゲーム
でも……私の視線の先はやっぱりあの人に向いてしまう。気持ちも伝えてないし、何の進展もないまま。諦めきれないよ。


「…何か用かよ?」

「ひゃ…な、なんでもないよ」


壊しちゃだめ。優菜もみんなも傷つけたくない。

諦めたくないと思っていても、黒崎さんにドキッてしてしまうこの気持ちは…封印あるいは…壊すしかないんだ。


「だ~か~ら~、口悪すぎ。栞ちゃん怯えてるでしょ!?」

「同感だな。少しは刺減らすよう努力しろ」

「白石てめえまで。……はぁ、悪かったよ」


このやりとりも大切。私が我慢するだけでいいんだ。私の心をしまうだけでみんなも……私も笑顔になれる。十分だよ。

いいんだ、もう。黒崎さんの隣には優菜がいるし…私の席はないのだから。





………




「じゃあまた放課後ね~」

お弁当を食べ終え、3人と教室の前で別れる。2年生になり、クラス変更で私達は離れた。

私と花梨ちゃんがA組で、後の3人はC組になったのだ。
< 544 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop