デスゲーム
「誰だよ、いったい」


不問を抱きつつ携帯をみると、『桜井沙弥』と表示されていた。

(ピッ、…『通話拒否』)

あれ?押し間違えた。はあ、やっちまった。素早く着信履歴を表示し、一番上の名前をリダイヤルする。



プルルルル、ガチャッ


「も、もしもし…」

「何してんの?一回で取りなさいよ。もしかして私からの電話に焦ってた?」


声が優しい。どうやら少しも怒ってはいないようだ。だが油断は禁物。

俺にだけ厳しいからな。でも言ってること100%当たってる。


「勘が鋭いなおい。まあそんなとこかな。女子と電話だなんて慣れてなくて」

「バカ、冗談で言っただけよ。も~、真に受けないでよ」

「はは、すまん。今顔赤くなってるだろ?」


桜井は自分を褒められたり、可愛いの類の言葉を言われるとすぐ赤くなっていくタイプだ。

たまたま会話の流れから思い付いたんだが、あいつの照れてる顔が頭に浮かぶ。
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