デスゲーム
「………して?」

「あ…ぁあ…ああ………くっ…そがあ!!!」


ようやく動けた。横たわる雫に目を背けて通り過ぎ、沙弥を床へ叩きつけた。

その勢いで胸ぐらを掴み、そのまま力まかせに押しつけてゆく。

辺りは真っ暗闇の空間。


「どう…して?……どうして私を選ばなかったの?」

「くそがっ!!お前が…お前のせいで!…許さねえ…」

「あなたが…私を選ばなかったから。……それで私も…殺すの?」


感情がごちゃごちゃになってる。何が何なのか分からない。分かるのは……すぐそこで雫が死んでるってことだけ。

知らないうちに右手はナイフを掴んでいて、それは沙弥の胸につきつけられていた。


「俺は雫が一番大切な人だから選んだ!!それの何が悪い!?…お前に俺と雫の何が分かる!?」

「分からない。でも私は傷ついた。きっと隼人の想像以上に、深く、私の心をえぐるほどに。

雫がいなかったら…代わりに私が側にいてあげるよ?」


ふざけるな。代わりなんかいない。

心も身体も…一つしかねえんだよ。出会ったこと自体が奇跡なんだよ!
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