デスゲーム
雫の肩に頭を乗せてもらった少し後に日が上り、この場全体を照らし出す。


「こっちでも…いいですよ」


姿勢が横になってゆく。目閉じてるけど分かる。膝枕してくれた。


「寝ちゃった。…4回戦の階段でプロポーズ…してくれましたよね。何年何十年先も一緒にいたいって」


そんな事……した。言った。あの時は死ぬ予感しかしてなかったからそんな事も言ったよな。

想いを余すことなく全て伝えたかったんだ。


「私もね…いいですよ。一緒にいて将来はけっ……んん、とかして。

それでそれで。その…こ…」

「雫、目隠しして」

「ひゃ、お、起きてたんですか!?あ、あわわ」


上を見上げると頬が真っ赤な雫が目一杯驚いてる。

とはいえ俺も何だか心臓バクバクだ。あのまま言わせてたら次は何が出てくるか分からない。


「日差しが強くてな」

「もう…はい。その日差しがメインのはずなのに」


手のひらで目隠ししてもらい、再度目を閉じる。

今度はゆっくり眠れそうだ。こんなに…安心して寝るのは…久しい気がした。
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