デスゲーム
「沙弥?話しを聞けば分かる。悪かった、俺が悪かったから」


両手を前に突き出し、これ以上は来ないでと語る。が、それでも歩みは止まらない。

俺のバカ!話しかけるんじゃなかった。


「隼人は気軽かもしれないけどさあ。私なんて、隼人がどうしたら委員会に来るか毎回作戦練ってるのよ!

来ても寝るから二段階のシチュエーションが必要なのよ!!分かってる?」

「分かった。分かったからそれだけは…それだけはあぁー」




『ヴォゴン!!』




「ぎやあぁぁーー………」




………


夕日が沈みかけてる頃合にようやく痛みが引いてきた。俺は桜井家の庭にあるベンチへと移動され、沙弥と並んで座っている。


「イテテ、相変わらず本物だな。その溝打ちは」

「隼人がいらない事を俊介に吹き込むからでしょ?自業自得だよ」


その沙弥の弟、俊介はというと、既に家の中に避難した。最後に見たのは足を引き摺りながら逃げている姿だった。


「今回で二回目だぞ?一体いくらまでストックがあるんだか」

「もうそんなにないよ。ふふっ」


笑いながら寄り添い、俺の肩にもたれかかる。腕と腕を絡め合うようにして。
< 90 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop