ブラッディ・ロマンス。【短編】
完全に貧血だ…。
倒れるほどの貧血なんてなったことないけど、
クラスメイトが貧血で倒れる姿を見たことがある。
でも、体を動かせないほどだった…?
不安が大きくなる。
ふいに、視界の先で何か動いた。
神藤くんだ。
「…仕方ないな、貸して」
神藤くんはあたしの手から錠剤とペットボトルを取った。
あたしの前にしゃがみこみ、錠剤と水を口に含む。
何をするの…?
ぼうっと見てると、彼の唇があたしの唇を覆った。