狼王子に監禁されて
「寝てたよ?
狸寝入りだけど…」
「やっぱり起きてた…」
怪我をしているのにクスクス笑ってくれる柘気。
柘気の笑顔はあたしを元気にさせてくれる。
コンコンッ
「あ、はいっ」
「柘気は居りますか?
お迎えに上がりました」
日斗出さんの声だ…
あたしは柘気から離れて扉を開け日斗出さんを中に入れた。
「あらら…こんなに傷ついてしまって」
「柘気が言うには十夜くんが腕を撃ったみたいで…」
日斗出さんはあたしの言ったことを聞いてからあたしを睨んだ。