Limiter

5.偶然の再会

DAY:2008/7/26


ハヤトから4日間、連絡が来ない。


これはどういうことだろう。
初回から一週間。
当初のマメな連絡から、いきなりの放置。
よっぽど余裕と自信があるホストで無い限り、初回で来た客を本指名に繋げるため、比較的マメに連絡をするホストが多いと思うのだが。


向こうが放置という態度をとるなら、私だって店には行かない。
私は基本的に、営業されないと店に行かないのだ。

そう思いつつ、実はものすごく「COLORS」に行きたかった。
ハヤトに会いたかった。
もう既にこの頃の私は、ハヤトにどっぷりハマっていたのだ。



ハヤトから連絡が来なくなって4日目、その日私は高校のときの友達とすすきのへと飲みに行った。
19日同様、居酒屋からバーへとハシゴする。

友達とバーを出たのは23時過ぎ。
それなりに酔ったし、友達とも久し振りに会って楽しかったハズなのに、
相変わらず私は、焦燥感に似た寂しさを感じていた。
まだ飲み足りない。楽しみ足りない。
当初の予定であればこの後、「COLORS」に行こうかと思っていたのだが、
4日間の放置をくらっていたため、私は行くに行けなかった。

もはやこれは、単なる意地だ。
そっちがその気なら私だって行かない。

友達とあてもなくすすきのを歩き、しょうがないので酔いを醒ますためにロッテリアへ入った。
そこで1時間ほど時間を潰し、だいぶ酔いも醒めた頃、
ずっとここに居ても時間の無駄だと思った私は、
どこか飲みに行ける場所を探しに行こうと、再び友達と共に外へ出た。

夜の闇をネオンと街灯が明るく照らす中、
私は前方から俯き加減で歩いてくる一人のホストに気付いた。
見た瞬間釘付けになった。

そのホストは、手にチラシ代わりのうちわを持っている。
ふと向こうが顔を上げ、じっと彼を凝視していた私と目が合った。




ハヤトだった。




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