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将真は、私を正面に立たせた。
正面から見る将真の顔は、
真剣そのものの、整った、綺麗な顔。
「……実樹。
嫌だったら、拒んで…?」
そういうと、将真の手が私の頬に触れた。
将真の顔が、だんだん近づいてくる。
……え。
ちょっと待って。
これって…キス?…だよね。
…嫌だったらって…嫌じゃないけどさ…
嫌でも…拒めないじゃん!
そんなことを思っているうちに、
将真の唇が、私の唇にあたる。
「知らないうちに、実樹のこと…好きになってた。」
真剣な将真の視線が、
真っすぐ、私をとらえた。
「…っええええっ!?…嘘だぁ!」
私は慌てて将真から目をそらした。