心の距離
「関係あったら口出ししても良いのか?」

「彼氏の振りしただけだろ?」

「何で知ってんだよ?」

「梨恵から聞いた。お前とことみが腕組んで歩いてる所見たって。ことみに聞いたら、元彼と切れる為に、彼氏の振りして貰っただけだって言ってた。もう彼氏じゃ無いんだから関係無いだろ?」

「関係ある。彼女がすげぇ好きだ」

ハッキリと本音を言い切った瞬間、ヒデが胸ぐらを掴んできた。

「お前…彼氏の振りした時、俺の女に何したよ?」

「…俺の女?…付き合ってるのか?」

「ああ。社内恋愛禁止だから、バレないように梨恵と続けてた。彼女も理解してるよ」

「う…嘘だろ?」

「くだらねぇ嘘なんか吐くかよ?お前が彼女の事、何とも思って無いって言うから、電話で告ったんだよ。キスだって当たり前の事だろ?」

ヒデの言葉が信じられなかった。

ヒデの言葉の一つ一つが、僕の頭に激痛を走らせ、目眩がすると共に、足元から震えていった。

「…ふぬけが」

冷たく言い放ちながら、胸倉を突き放すヒデ。

言い返す言葉も無く、ただ呆然としていた。

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