心の距離
「お疲れ様です。スロットですか?」

いつもより明らかに寂しそうに聞いてくる彼女。

「うん…でも、やめた。夢、見に行って良い?」

「…起きたら居ないからヤダ。…目が覚めた時、隣に居ないと寂しいもん」

目を潤ませながら本音を告げてくる彼女。

彼女を見ているだけで、胸の奥が痛い程苦しくなり、目頭が熱くなっていく…

「…今日はずっと居るよ。目が覚めても隣に居る。…居させて欲しいんだ」

「約束だよ」

ニッコリ笑いながら小指を差し出す彼女。

彼女の小指に小指を絡ませたまま、彼女のアパートに向かった。

彼女の家に入るなり、彼女を強く抱き締めた。

「…ごめんね。本当にごめん」

「どうして謝るの?」

「すげぇ独り善がりだから。本当にごめん。…寂しかったよね。…すげぇ辛かったよね。本当にごめん」

「…キスしてくれたら、全部許してあげる」

彼女の唇に唇を重ね、彼女を強く抱き締めた。

最初で最後と思っていたのに、何度も彼女と繋り、素直な気持ちの代わりに、何度も謝罪の言葉を告げた。

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