心の距離

離れる距離

彼女と何の進展も無いまま、迎えてしまったクリスマス直前。

仕事がなかなか終わらなかったせいで、いつもより遅い時間に店に向かうと、彼女と同じ店で働く、早番で相当長い事勤めている上原さんと西野くんが駅に向かい歩いていた。

「だから!神田さんは甘いんだって!」

必死で上原さんに訴える西野くん。

「そんな事言ったって仕方無いでしょ!?江川さんのミスは神田さんの責任になるじゃない!」

「だからって教えないのはおかしいって!取り敢えず全部詰め込むべきだよ!」

「西野くんが無理に詰め込むからパニクって、江川さんが景品のCD割ったんじゃん!神田さん休みだったのに、マネージャーから散々説教食らった挙げ句、連帯責任で半分お金出したんだよ?」

「そんなの当たり前じゃん!バイトリーダーなんだから!」

「なりたくてなった訳じゃ無いじゃん!一番長いから強制的にされただけじゃん!そこまで追い詰めたら辞めるよ?」

「辞めたければ辞めれば良いじゃん!あんな、のほほんとしたやり方のまま居られたら、早番のバイトリーダーの俺が迷惑するだけだし」

「また追い出す気?もういい加減にしなよ!凄い頑張ってるじゃん!」

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