心の距離
ボーッとしながら会社に入り、事務所の中に入ると誰も居なかった。

不思議に思いながらソファを見ると、ソファで寝息を立てていることみちゃんの姿。

テーブルの上に綺麗に並んでいる資料と、彼女の手にはホッチキス。

…本当に仕事だったんだ。嘘じゃ無かったんだ…

着ていたシャツを彼女に掛けた後、彼女の向かいに座った。

嘘を吐かれたと思い込んでいた自分と、こんな時間まで仕事をしていた彼女。

テーブルの下に散らばっている資料を掻き集め、綴じてある資料を頼りに、作業をはじめた。

時計の針の音と、気持ち良さそうに眠る、彼女の小さな寝息が聞こえる中、響き渡るホッチキスを止める音。

「ん…田辺さん?ヤバい!寝ちゃった!」

「もうすぐ終わりますよ。本当に仕事だとは思わなかったです」

「すっすいませんでした!何で寝ちゃったんだろ…」

「もう3時だもん。寝ちゃうのも無理無いよ」

「もうそんな時間なんだ…あ!シャツ、洗って返しますね!」

「良いよ。そのままで。良い夢見れました?」

「…良い夢だったのかな?…凄い落ち着く夢でした」

「仕事はこれで終わりだよ。どんな夢でした?」

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