心の距離
「適当な理由つけて、転がり込んで来ただけじゃん…」

「適当じゃ無いだろ?半年間は仕事出来なかったんだから」

「今だに仕事して無いじゃん…」

「家が無いから仕事出来ないんだよ。また一緒に住めば働ける」

「何回もその気は無いって言ってるでしょ?」

「一緒に住めば気が変わるよ。昔に戻れる」

「絶対に嫌。もう、言葉にダマされるのはウンザリ」

二人の会話に入る事が出来ず、黙って彼女の肩を抱いた。

「ことみ、仕事するから結婚しよう。2年も一緒に住んでたんだし、俺達なら大丈夫だよ。こんな男、捨てちゃえよ」

「な…何言ってんだよ…ふざけんなよ?ことみは俺の女だぞ?お前みたいなヒモに渡すかよ…」

「今、大事な話してんだろ?口出すなよ。ことみ、あの時は気が動転してただけなんだ。次はちゃんと産んでくれ」

「な!?何言ってんだよ!」

「2年も一緒に住んでたら普通に有り得る事だろ?ことみ、一緒に住もう」

「…家が欲しいだけでしょ?親に会わせる顔が無いだけでしょ?絶対に嫌」

「ホントに頑固だな…お前は帰れよ。俺、ことみを説得するからさ」

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