ヤンデレストーカー女日記(短編)
赤い水溜まりが彼女を囲んでいく。
「な…………何て事………」
体がガクガクと震える。
逃げろ。
逃げないと。
だが、足が動かない。
「やっと逢えた」
女が言った。
「ずっと待ってた……ずっとずっとずっとずっと」
女があり得ない方向に曲がった指を、寿の頬に添わせる。
「な………ゆ、指が…………」
「あ、これ?デートの日が近づく度に、第一関節から折っていったの」
クスリ、と女が可愛らしく笑う。