幼なじみセンチメートル
「…カゼ」



紙に書かれていたのはカゼの名前。



そんなに仲の良くない男子じゃなくてホッとしたけど、少しガッカリした。



カゼ、ごめんね。




「えーっ!?私、ケン!?最悪…」

「えーっ!!そんな目一杯嫌がらなくても…」



ケンの名前が書かれた紙を引いたカンナは、あからさまに嫌がる。


確かにケンじゃ頼りない…かな。





「………キヨ、ごめんね」


「へ?」


「………俺の名前、イノリじゃなくて」



ペこりと頭を下げるカゼ。



違うよ。


カゼが嫌なんじゃなくて、イノリだったらなぁ〜…って思っただけで


って、同じことか。




「ううん!カゼでよかった。よろしくね」


「………うん、よろしく」




…イノリは誰とペアなんだろう。




チラッとイノリを見ると、静(シズ)というクラスメイトの女の子がイノリと話していた。




「私、北山くんとペアだよ。よろしくね」


「恐がってても置いてくからよろしく」


「えー!手くらい繋いでよ〜」




うぅっ…


静の事は嫌いじゃないけど…


ムカつく。






「女の子が眉間に皺寄せちゃダメよ」



カンナにトンっと眉間を突かれ、歪ませていた顔を元に戻した。
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