Hurly-Burly 【完】
男の人というよりかは父ちゃんが言う
元から悪い人はいない説なんて嘘だって
思ってしまってた。
「怖いわけないじゃないか。」
強がりって言ったらそれ以上だ。
けど、その手の優しさだけは変わらない。
茶髪の癖に先生なんかやってるヤツ
に弱音なんか吐かないからな。
「ったく、素直じゃねーの。
可愛くねぇな。」
別に可愛いと思って欲しいわけでもない。
「ひーちゃん、心のカウンセリング
なら俺にまかせ」
「しないな!」
村田ティーチャーの手を払いのける。
「強がりめ」
メソメソ泣き真似しようとする
黒髪に手を伸ばして叩く。
「絶対、お前らには言わない!!
助けを呼ぶなら100%サユダディに
決定だね!!」
っていうか、そんなに事件に巻き込まれて
も嫌だけどね。
渋々帰って行く悪魔たちにどっと疲れが・・
「ヒヨリン!!」
ナル君に飛びつかれて後ろにひっくり返った。
ソファーが後ろで良かったよ。
「ナル君、元気だね。」
あたし、ちょっと今日は早めに
帰らせてもらってもいいかしら?
「何で、電話してくれなかったの!!
俺たちが住んでるところと近かった。
すぐに駆け付けた。」
ナル君に押し倒される勢いだった。
ギョッとしながらナル君の肩を押さえて、
距離を取ろうと頑張る。
「ちょっ、ぐえっ・・・」
ナル君に絞め殺されるの刑が発動中だ。
何てこったよ。
その力はどこから来てるのよさ。