Hurly-Burly 【完】

旅行


5月に突入した最近。

ゴールデンウィークはサユダディと

山に登ってやまびこした。

『ヤッホー、ヤッホー』

サユダディはちょっとネジが外れてる。

ウチの父ちゃんと話が通じるぐらいだもんな。

やまびこなのにやまびこさんの仕事を

分捕ろうとするサユダディにサユマミーはにっこり、

サユとマコ君は苦笑いだった。

サユの弟の修平君は冷めた目で見てたよ。

サユも修平君もダディには全然似てない。

それでも、マミーの作ったお弁当で

一番先にたこさんウィンナーを取る

ところは親子だと言える。

修平君はサユと3つ違う。

だから、今は中学1年生。

それなのに、大人だよ。

あたしより背が高いし、落ち着いた

対応で本当に中1には見えない。

マコ君はもう家族に公認されている。

これでもサユダディに殴られてる。

サユを溺愛するダディは娘を取られる

みたいで怒り狂ったらしい。

強靭な肉体から繰り出された拳に

鼻血を出して倒れたとサユが後に語った。

それでもサユが好きなんですと言った

マコ君はダディを認めさせた。

そのサユへの溺愛ぶりはダディを

感動させたらしい。

こんなに想われるなら娘も幸せだと

思ったとのことだ。

泣きながらサユを頼むと言ったらしい。

ダディが涙もろいのは知ってた。

小学校の運動会でサユがかっけこで

ぶっちぎりの1位を収めた時は恥ずかしげ

もなくサユを胴上げして、泣いた。

学芸会でサユがお姫様役をした時は

一番前の席を陣取って大きな声で

可愛いぞと叫んで圧倒させた。

その後、サユの演技を見て大泣きだった。

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