Hurly-Burly 【完】

ヤバい、心拍数上がってます。

もちろん、走りすぎてだ。

「ちぃー君、ちょっ・・どこにその

体力隠し持ってたの!?」

さっきからフルスピードじゃありません?

後ろから聞こえる罵声もそれほど聞こえなくなった。

「早く走れ。」

うっとおしそうに前髪を避けるオレンジブラウンの

綺麗な髪が揺れる。

ふわふわしてる。

くしゃって触りたいなって何変態なこと

考えてるんだよっ!!

今はとりあえず走るだよ。

追手が拡散したせいか逃げやすくなった。

路地裏に息を顰める。

建物と建物の間に手を引かれて入り込む。

狭くてあたしが小さくて良かったと思う。

「・・・挟まった。」

後ろでボケッと言い放つちぃー君をギョッと

しながら見る。

「えっ、ちょっとヤバいよそれっ!!」

引っこ抜こうとちぃー君の腕を引っ張る。

「ぬおっー」

大きなカブを抜こうと必死な絵本を思い出す。

うんとっこしょ。

どっこいしょ。

「いいから隠れろ」

そういうわけにはいかねぇーべ。

挟まったままって超間抜けじゃん。

慶詩と伊織君とユウヤの3馬鹿トリオ

が居たら絶対に笑ってたに違いない。

ハッ、ここはもしやシャッターチャンス!?

「そのまま動かずに・・ハイ、チーズ」

カシャッとケータイで写真を撮るあたしに、

「早く隠れろって。」

呆れながらもあたしの右手首を掴む手が

強引に引かれた。

「おいっ、こっちに人影見たヤツが居るって」

バタバタ聞こえる足がとかツッコミどころ満載

なことはこの際置いとく。



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