Hurly-Burly 【完】

うん?と言いながら小顔ローラーをする

我らがさーちゃん。

「もう小顔だよ。」

あたしがやった方がいいぐらいだ。

「日和は顔がちっちゃいからいいじゃない。」

いや、あんたもだよ。

ベットの上で足をバタつかせるあたしを

睨みながら言う。

「サユもちっちゃいよ。」

全く、文句の付けどころがないじゃないか。

素敵な小顔でビューティーフェイスじゃないよ。

「あんたに言われたくないのよね。」

あ、それはすまんかった。

それからくだらないことを喋った。

最近のお笑い番組はつまらないだの、

この女優はあの俳優と噂があったとか

話題は底なしでサユと喋ってる時が

やっぱり一番幸せだと思った。

この間通販で買った電動式の

自転車はダディが毎日乗ってるとか

マミーが包丁を買い揃えてるとか

そんな話をべらべら喋りながらも

サユはあたしが笑ってることが

幸せだと言ってくれた。

「あんたも少しは笑えるじゃない。」

普段はサユの家に行くと自然と仮面が

外れるんだ。

「サユ、あたしいいのかな?」

こんなことをしててもいい?

楽しいって思ってしまった。

何故か、守りたいと思った。

あの背中もみんなの笑顔も。

心に埋め尽くされたものを

あたしは迷わず手を伸ばしていいかな?

「あんたが好きなようにするのが一番だよ。

あたしはあんたの味方だよ。

らしく生きるってのが一番性にあってる。

日和が決めていいことなんだから迷う必要

ないんじゃないの?」

ダディ以上に男らしいことをいうサユ。

お前に惚れてしまいそうだ!!

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