Hurly-Burly 【完】

結局、よく分からずに歩いてた。

どこに向かってるのか分からなかったけど、

人だかりが出来てる方に進めばとそう思ってた。

不安になりながらも進んでる時だった。

「こっちだ」

横から右手首を引かれた。

「あ、あの・・って!!」

誰だよと思ったら目の前にオレンジブラウンの髪。

ざわつく通り掛かる人たち。

ああ、そうか。

ちぃー君イケメンだもん。

みんながほっとくわけないよね。

柑橘系の香水の香りは昨日同様ありえない

ぐらいいい匂いがして目の前ではキョロキョロ

何かを探しながら歩くちぃー君。

女の子が悲鳴をあげながら騒いでる。

「あの人、カッコイイんだけど。」

「話掛けて見ようよ。」

ボケッとしてる普段の顔とは違い、

キリッとしていて無言で引かれた。

どこに行ってるんだろうと思った。

イルカショーのところって結構

遠かったんだ。

トイレに行きたくて夢中だった

から気付かなかったよ。

「迷った。」

ちぃー君、そんなことってあり!?

うーんと唸ってるちぃー君を横目に

キョロキョロ見渡す。

「あ、あそこは?」

何かやってる雰囲気のある。

ここだったか忘れたけど、

「入るか。」

ちぃー君は目立つ男の子だと思う。

明るい髪が目立つ。

「うん。」

ちぃー君に手を引かれながら入ったそこは

言葉に表せないほどの光景に心臓が飛び跳ねた。

イルカショーなんてものじゃなかった。

そこはキラキラの星屑のように光る

クラゲたちが見やすくするために暗くなった

部屋に水槽に居るクラゲが色とりどりの

ヒカリを放ってた。
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