Hurly-Burly 【完】

暴走族ってあの夜の街をピャラリラピャラリラ

バイクで徘徊する集団のことか?

「とくに興味はない。」

あたしには何の関係もないし、それに

とくにどうも思ってない。

「それだって言ったら?」

馨君の顔を見上げる。

うんっ、馨君。

それがって言ってあげよう。

そんな顔しなくてもいいよ。

あたしがちゃんと受け取ってあげる。

「カッコイイじゃん。」

にって笑った。

そういうのよく分かんない。

危ない集団とかいうのは分かるけど、

何せ夜は外に出ない主義だし。

俗にいう世間知らずだもの。

「いい度胸じゃねぇーの。

俺らと友達やってくってのは

エベレストに登るより至難だぜ?」

慶詩がニヤリと笑う。

エベレストか。

そりゃ、すごい山だな。

世界一高い山に登るほどか。

「ふふっ、それいいじゃん。

エベレスト制覇しちゃおうじゃないの。

女は愛嬌と度胸があればどこでもやって

いけんだって受け売りよ。」

母さん、あたしの人生は度胸です。

このたび、とんでもない人たちの

友達になっちゃったかもしれないです。

「日和ちゃん・・・」

「首は突っ込まないよ。

サユに心配掛けたら次は滝に突き落とされるからね。

あの子はやると言ったらやる子なの。」

それでも、あたしの親友はもっとぶっ飛んでる。

暴走族がどうした?

「言ったろ、次はねぇ。

お前は黙って守られてろ。」

オレンジブラウンの彼は決して諦めないのです。

< 297 / 419 >

この作品をシェア

pagetop