Hurly-Burly 【完】

日和ちゃんが何を好きかも、全く知らなかった

からこれはある意味大きな収穫だったけど、

予想以上の爆弾放ってきたな。

あんまり、人に深く関わりたがらない日和ちゃんが

すごく好きと言う言葉を簡単に言ってしまうほどだ。

サユリちゃん並みの人だろう?

女の子なのかもしれない。

さっきのナルの暴走といい。

あれをあんなふうにかわすのは日和ちゃんぐらいだろう。

恋愛感情を知ってるのかさえ分からない。

鈍感というよりかはもう天然記念物と言って

もいいぐらいである。

ナルは納得いってないみたいだったけど、今は

大人しく考えてる。

きっと、どんなヤツだろうとでも考えてるに

違いないわけでサユリちゃんみたいな女の子でも

想像してるのかもしれない。

「ヒヨリン、それってどんな子?」

ユウヤがクッキーを片手に日和ちゃんに問う。

何だ、ユウヤも考えてたのか。

「どんな子って?」

美男のアフロとスキンヘッドの頭で遊ぶ

日和ちゃんは無邪気に笑った。

「そのサユリンみたいな感じの子なのかなって?」

ユウヤも同じこと思ってたのか。

何か、心外だな。

「えっ、サユみたいって何言ってるの?

さっきの知人の話だったら男の人だよ。」

そして、その無邪気さに核爆弾級の

爆破を仕掛けてきた。

「えっ、マジでか!!」

日和ちゃんはクスリと笑う。

最近ようやく見れるようになった

日和ちゃんの笑う顔も普段じゃ知れない

顔の一つだと思う。

クラスでは滅多に笑わないからな。

「でも、サユと同じぐらい好きだよ。」

サラッと言う彼女はその言葉の意味を

深く考えたことがあるのだろうか?

謎が深まるばかりだ。
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