Hurly-Burly 【完】

お昼下がり、庭でお喋りした。

大和さんも母さんのことを教えてくれた。

「最近は少々取引相手と揉め事がありまして、

連日機嫌が悪かったみたいですよ。」

母さんはいつも大和さんに押し付けるんだよね。

あまり良くないよ。

「大和さん、いつもあの破天荒な母さん

の世話ばかりで気苦労でしょ?

他に就きたい仕事があるならすぐにでも

辞めちゃっていいからね。

母さんに脅されてるとかだったらあたしが

逆に脅し返しちゃうから。」

大和さんはクスリと笑いながら黒縁眼鏡

の淵を押さえる。

「日和様、私が未依様を尊敬しているからですよ。

朝陽様のためにも彼女を支えることに全力を

尽くします。元は朝陽様に惚れてこの仕事に

就いてますから。」

どんだけだよ!!

父さんなんてあの野蛮なジャングルの中で

パンツ一丁でうろつくような人だよ?

母さんの趣味の悪さにも引くけどさ、

大和さん考え直した方がいい。

母さんに惚れこむならまだしも、

父さんに惚れこむ要素がこれでもかって

ほど思いつかない。

「日和様も好きでしょう?

朝陽様は根っからの良い人過ぎる人だと

思いませんか。私には彼のような生き方

は決して出来ません、でも尊敬はします。」

あたしだって知ってるよ。

父さんのいいところはその自由を愛する

ところだと思う。

父さんから自由を取ったら死んじゃうかも

しれないぐらいにね。

ある時は山に登って、遭難したかと思えば

温泉を掘り起こして帰って来たり、ある日には

急にお店を始めたと思ったら大儲けして

店舗増やした瞬間勝手に辞めるとか言い出したり、

川で溺れかけてたと思ったら熊に助けられた

仲良くなっちゃう人だ。

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