Hurly-Burly 【完】

弱味を握られて


あの後、立ち尽くす彼らを置き去りにして

すぐさまやり残した仕事を完璧にこなした。

花壇の始末は放課後にでもしようと考え、

放置してきた。

体育館を開け放ち、窓を開けると心地よく

風が入り抜ける。

ふわふわと春の匂いを漂わせながら

気持ちよくも体に柔らかな風に心が

落ち着く。

さっきまでのあたしとは大違いだ。

あんな悪魔にさえ会わなければ

見っともないところ見られずに

済んだかもしれにと思うと当分

彼らに出くわしたくないとそう

思っては見たものの。

教室に戻ると何故かいつも座ってない

席に全員着席してて周りのやんちゃメンバー

たちも大人しく着席という不思議な光景に

眩暈でぶっ倒れるかと思った。

「あ、委員長」

ナル君には申し訳ないがそんな知り合いです

的な感じで声掛けて欲しくなかったよー。

「おはようございます、華沢君。」

にっこりと作り笑いを浮かべる。

こうなったらシラを切り通す。

「さっき、おはようってのやったじゃん。」

ナル君がきゃっきゃと可愛い笑みを向ける。

クラスの女子が数名彼の可愛さに倒れた。

し、死亡者が・・・

まさか、彼は可愛い美少年を演じる

怪獣メロメロビームを出してるのか!?

「いえ、何かの間違いでは?」

席替えはいつだろうか!?

出来れば、あの人たちの近くではない

ところに・・・

「あ、ヒヨリ。」

そして、見事な救世主サユが登場した。

天使に見える彼女が救いだ。

今はキラキラと見える。

サユ様、女神様ありがとうございます。
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