Hurly-Burly 【完】

サユと更衣室で早着替えした。

ありえないスピードで着替え終わったと思う。

あたしよりも前から着替えてる子もまだ

着替え終わってない。

「ヒヨリ、どこから回るんだっけ?」

サユと更衣室を後に廊下で彷徨う。

そういえば、これクラスごとに移動

なんだよね。

しかも、順番書いた紙を佐藤君が持ってる。

「教室行こうか。」

サユの手を引きながらにっこり笑った。

サユも嬉しそうにあたしに着いてきた。

ただ単にこんなどうでもいいことを笑える

関係で絶対なる信頼を持ったサユさえ居れば

あたしは他に何も望んじゃいない。

ただ隣でサユと一緒に笑えればもう

無理なお願いを神様に頼んだりしない。

あたしがあたしで居られる友達はサユ

だけで十分なわけでどこでだって真面目

な優等生で演じてなきゃいけない。

目立つことはしちゃ駄目なのだ。

這いつくばった生き方をした方が

まだどこか救われた感を得られる。

だから、不良となんか関わっちゃ

いけない。

あたしと住む世界が違い過ぎる。

それなのにどうして・・・?

「ねぇ、委員長どこから回るの?」

何事もなかったかのように接して

くれる意味が分からない。

「え、えっと・・・」

委員長と呼んでくれることが

まだ許されるのかと思ってしまう。

「立花さん、こっち。」

手を上げて教室のドアからこんにちわ

する佐藤君に安堵を浮かべる。

「佐藤君についてけば大丈夫です。」

あたしに聞いてきてくれたことを

少し嬉しく思ってただなんて今日の

あたしは本当に訳が分からない。
< 38 / 419 >

この作品をシェア

pagetop