Hurly-Burly 【完】

袋からフライドチキンを取り出して、

「これが食べたかったのよー!!

お腹空いちゃってコンビニって

あまり行かないからサユに頼んで

ついてきてもらって買おうと思ったのに

悲惨な目にあったわ。」

放課後にガッツリチキンを頬張る女子高生は

中々レアなものだと思う。

しかも、5本も食べるとかひーちゃんの胃袋

は可笑しなことになってる。

それで、何故あの体系なのかさっぱり理解

出来ないと思った。

美男は気持ち悪そうに見てた。

多分、みんな同じだと思う。

こんな時間にチキンを5本も食べるとかやっぱり

ひーちゃんは可笑しな子だ。

「日和ちゃん、オレンジジュースあるよ。」

馨さんがにっこり笑ってる。

今度はちゃんと笑ってる気がした。

「あ、欲しいかもっ。

キャー!!さーちゃん素敵過ぎる。」

絶叫したひーちゃんを見ると、

これまた大きな特大コロッケを握ってた。

「うるせぇな、おいっ」

慶詩君がソファーから立ち上がる。

「見てよ!!

超素敵な心がけじゃないか。

あたしはチキンだけを頼んだのに

丁度食べたいと思ってたコロッケまで、

あたしのことを知り尽くしてなきゃここまで

出来ないわ。」

口元緩めて笑うひーちゃんは嬉しそうだった。

さっきまでのことがどうでもよくなるような

そんな空気にするひーちゃんはやっぱり変な

子でそれでも何かいい。

こういうのはみんな笑ってる。

ひーちゃんはそういうところがあるから

友達で居て楽しいヤツだと思えるんだろうな。



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