Hurly-Burly 【完】

あたしもオレンジが好きだからよく最後まで

残しちゃうんだよね。

好きなものは最後に食べる派なんだ。

「・・・・・・・・・・」

コクリ頷くちぃ君。

な、何だろう?

ちぃ君が可愛く見えるぞ。

目の錯覚だと言うのか?

「たい焼き食べに行く?」

ちぃ君、あたし本当に一緒に居るからね。

もうやめたとか言わないでよ。

そんなの受け付けないからね。

「・・・・・行く」

むしろ、そんなこと言っちゃった日には

この世の全ての甘いものを処分させて頂く

からなっ!!

「じゃあ、一緒に行こう。」

みんな先に行ってしまったんだから、

本当に薄情者たちだ。

「知ってるか、あそこ、今度たこ焼き売る

らしい。」

ちぃ君、知ってたの!?

実はあのおじさんに気に入られてるよね。

この前は喋ってるところ見た。

たい焼きすごい貰ってるのも見ちゃった。

「それと、・・・・丸蔵の飼い主らしい。」

えっええええええええ!!

「マジでかっ!?」

そりゃ、初耳だよ。

ちぃ君、意外と丸蔵のこと気になってたものね。

飼い主居なかったら飼うとか言ってたし、

丸蔵を見ると捏ね繰り回して愛でる君は

猫博士と称してもいいぐらいだ。

「ああ、マジだ。」

ただ、ちぃ君が笑ってくれるとどうしてか

分からないけど心が温かくなる。

これは何て言うんだろうか?

安心感っていうのかな。

ちぃ君は、これが何かをしているのだろうか。

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