Hurly-Burly 【完】

ピクリと跳ね上がる眉を顰めて、

オレンジブラウンの超絶ビューティ

フェイスに失神するかと思った。

あんまりよく見てなかった。

彼の明るい髪が印象的過ぎて、

気付かなかった。

何故、こんな絶世の美女ならぬ美男子が

居たのか。

綺麗な二重が神のようにさえ見えてきた。

「知ってたのか?」

そして、薄い唇が動くのを見た。

綺麗な唇に見惚れていただなんて

悟られるわけにもいかずアタフタ

慌てていたらだ。

「知ってんのか?」

すごい音が鳴り響いてビクッと肩を揺らした。

その破壊音に近い音と共に彼が叩いた

せいでヒビが入ったであろうテーブル

にキョロキョロと視線を泳がせる。

「えっと、知らねば・・プリントを

届けに行ってませんよね?」

詳しいことは知らないがね。

一応、聞かされたのだ。

あの悪魔1号の口から流血事件を

起こして停学中だと言うことだけを

知らされた。

「どこまで知ってるの?」

馨君がティーカップをヒビの入った

テーブルにゆっくりと並べる。

「どこまで?

えっと、詳しくは知らないのですが・・

流血っていうのは何が流血したんでしょうか?

まさか、目が充血の間違いでは!?」

そんな間違いを言いやがったのか!!

あの似非グレチャーめ。

噓吐き悪魔1号が!!

ハッとするあたしとは裏腹に一際

引かれたような気がして周りをキョロキョロ

見渡すとオレンジブラウンの彼と目が合い

窒息寸前なるぐらい見つめられて生死を

彷徨ったに違いない。
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