Hurly-Burly 【完】

その茶色い瞳に吸い込まれそうになって、

逃亡を図った。

「待ちなさい。」

魔人フェロモンに捕まった。

「ひぃぃぃぃ、充血事件が恥ずかしい

のは分かりましたから!!

絶対、口に出しませんから!!」

そんな恥ずかしいことは言わないと

約束しようじゃないか。

「ねぇ、それが君の本当の姿?」

その問いに固まった。

な、何をやってるヒヨリ!!

弱味を確実に握られたではないか。

大変だ、これから脅されて奴隷の

扱いをされて学校生活を過ごさねば

ならないのか!?

「本当とは何のことかしら?」

そして、姿勢を正して今までの妄想

を吹き飛ばした。

「む、無理があるー。」

ひーひー言いながら笑いをこらえようと

奮闘する変人が・・・

「無理などはしない主義よ。」

この男、口に石を詰め込んで

やろうかと睨みつける。

「してんだろうが」

金髪ヤンキーが耳にありえないほど

付けているピアスに手を掛ける。

「どっかの見間違いではありませんこと?」

シラを切るいはどうも無理がある。

それでも、こんなの知られたら困る。

人生やり直しなど・・・

「ど、どうか、ご内密にお願い致します。」

そして、再度ひれ伏す。

誤魔化しなど出来ない状況に追い込まれた。

自分から境界線を引いたはずなのに、

もうサユだけで十分だからて壁を作った

はずだったのにあたしとしたことが

こんな有様だ。

情けなくて恥ずかしいことこの上ない。
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