Hurly-Burly 【完】

相沢と村田と委員長


Said:伊織

とにかく、焦ったさんだった。

無表情な彼女が倒れて動かなくなった

瞬間心がざわついた。

人を再起不能にしたことなんてしょっちゅう

だったけど、ここまで動揺するとは思わなかった。

「それで、説明してもらおうかな?」

馨がテーブルの椅子を引いて、

腰を下ろすのを見計らって俺も

近くにあった棚の上に座った。

保健室なんてはっきりいって

あんまり来たいと思わねぇ。

女とイチャイチャするぐらいで

来たいと思ったことはねぇ。

「何を?」

澄ました顔で凛とベットに座る

委員長はとことん変なヤツだった。

「何って、ぶっ・・」

隣で笑うユウヤの気持ちも何となく分かる。

「どう見たって教師と生徒って関係

じゃないよね?」

馨がズバリ聞いたことに内心焦った。

こういうのってそんなはっきりと

聞いていいもんなのか?

それは俺だけでもなかった。

さっきまで笑ってたはずのユウヤ

の顔が青くなる。

「ふふっ、」

いきなり笑い出す女の笑みは最初

と比べたらはっきり言ってこっち

の方がいいと思った。

「おめーら、何勘違いしちゃってんの?」

相沢が嫌そうな顔をして村田と目を

合わせた。

「そうそう、やめろよ。

ひーちゃんとは確かにただの

生徒と教師って関係じゃねぇよ。」

村田の言葉にその場が静かになる。

俺たちについてきたヤツらも同じ

ように息を潜む。

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