Hurly-Burly 【完】

その癖、決して見せなかった笑みを見せる

委員長の瞳がユラユラ揺れる。

「ひーちゃん、ご機嫌じゃないの。

いつぶりだろうね。

そんなに笑えたんだ。」

村田が委員長に優しそうな目を向ける。

どこか、この2人があの女を見る目が

違う時がある。

一瞬だけ本当にこの2人はって思ったのも

束の間だった。

「むふっ・・はひひい」

村田が委員長の頬を引き延ばす。

それはもう悲惨だった。

びよびよに伸びる委員長の頬に

村田は笑みを浮かべる。

「残虐性極まりない。

お前はあたしを何だと思ってる?」

払いのけて委員長が仰け反る。

「何だとね・・・可愛いとは思ってるよ。」

そのきっぱりとした言い方が

どうも腑に落ちない。

「はいはい、他でやってください。」

委員長は大きな瞳を真っ直ぐに、

長い睫毛を瞬かせる。

「釣れねぇ嬢ちゃんだね。

それで、何で言わなかった?」

そして、どす黒いオーラを全開に

委員長の腕のワイシャツをスッと

捲り上げる。

教師がそんなことしていいのかよと

思った。

けど、それより目を疑った。

赤い斑点が微かに残る白い肌。

透き通るほど白い肌にところどころ

赤い斑点がその白い肌を侵食していた。

「ったく、そんなことだろうと思ったわ。」

相沢がポケットから煙草を取り出す。

「コラ、神聖な学校で煙草など吸うな。」

腕の裾を無理やり戻していう委員長。
< 60 / 419 >

この作品をシェア

pagetop