Hurly-Burly 【完】

それを聞いてニヤリと笑う相沢。

「なぁ、何で言わなかった?」

あの2人の本性ぐらい知ってる。

元々世話になったヤツだったからな。

「もう治るから言う必要なかった。」

委員長は言いづらそうに言う。

「だろうな、原因はこいつ等だな?

ったく、お前を行かせるんじゃなかったな。

ちっとは旅をさせて見るつもりがこんな

面倒抱えて帰って来てもなぁ。」

相沢が意味の分からねぇことをべらべらと

喋ってる内に委員長が拳を握りしめた。

「迷惑など掛けない。

自分のことぐらい自分で出来る。

これぐらい大したことない。」

ぐっと睨みつける委員長の瞳は

意思が強く見てるこっちが冷や冷やした。

それなのに、当の2人は面白そうに笑う。

「とか言って、2日も寝込んだんだろ?

月曜だって無理したってのをさーちゃん

に聞いたけどね。」

はっきり言って話に付いていけない。

何を言ってるのか分からねぇ。

ただ、分かることはあの日、

散々連れ出した後に彼女が

苦しんだことは確かだってことだ。

「いつ弱音を吐くかと心待ちに

してれば何も言わねぇってか?

待ってんのも面白くねぇじゃねぇの。」

相沢は委員長を見つめる。

「弱音なんて吐く性格だと思ってるの?

変なところ分かってないのね。

死んだって言わないわ。」

彼女は決め台詞のように言う。

それはまるで呪文のように、

誰かに言うというよりは自分

に唱えているように思えた。

元々なのかよく分からねぇが、

この嬢ちゃん頑固なヤツだ。

それもとびっきりな。
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