D i a r y



 「翔太」

雨がおれの名前を呼ぶとき

おれはこんな
平凡な名前を愛せる。

おれが振り返ると同時に

雨が胸に飛び込んできた。

受け止めて、強く抱きしめた。

「ねえ、翔太、愛してるよ、ごめんね」

雨が泣いているのがわかった。

「おれも、愛してる。心の奥底で」

おれも、小さな声で

やっと、しぼり出した。



「雨、負けんな。頑張って、生きろ」



雨が頷いた。
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