初雪といっしょに見守ってる



まだ伝わってくる雪乃の心の叫び。



空が「きっと、大丈夫だよ。」と肩を叩いてくれた。
その優しさが、今はいちばん嬉しく感じた。



「…夏目君!どこっ??!」



声を張り上げた雪乃。
道行く人は、みんな雪乃を見る。


でも雪乃は、そんなのかまうものか、という顔で涙を拭いた。



シンシンと降り始めた雪。
雪乃の髪に触れては、ジワッととける。



「新橋!」


「………夏目君…!」



さっき拭いたばかりの目から、また涙を溢れさせ、雪乃は夏目凪に抱きついた。


「よかった…よかった…。」と嬉しそうに、安心したみたいに言いながら。



< 57 / 59 >

この作品をシェア

pagetop