脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「むにゃ……な、んでオネエマン……どーいうこと……」


「……そっちに戻ったか」



留美とコイツが揃ったということは、


イコール、あの夏にも似た珍騒動が勃発することは容易に考えられるわけだが……


まさか次の日にはそれが現実になるとは。



部屋に戻ると玄関先に立っている見知らぬオンナ。


事情を聞けば留美の妹ときた。



兄貴のあの姿を見てショックなのは当然だろう。


泣き出した姿にどうしたもんかと思いあぐねていると、



「光太くん、これ3番テーブルのお客さんのハンバーグ……ムニャ……」


「ずいぶんはっきりとした寝言を言うんだなコイツ。……しかもどんな構成の夢だそれ」



バイトの後輩だか何だか知らねぇが、オトコなんか連れて帰ってきやがって。


このオレに殴りかかってくるとはイイ度胸だが、かなり弱ぇ。


が、コイツに本気で惚れているということは後で分かった。


そして留美の妹のオレに対する好意も何となくだがこの日から感じてはいた。



始めからちゃんとしとけば良かったんだろう。オレも、コイツも。


結局、その日のうちに勃発した留美脱走事件に巻き込まれたあげく、


情けねぇが……自分で抱えてる問題で頭が埋まっていたこともあり、ウヤムヤなまま時間が過ぎていった結果が、コイツとのケンカだった。


< 343 / 404 >

この作品をシェア

pagetop