脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「大丈夫? なんか震えてない?」
「だ、だいじゅぶです」
エレベーターに乗った光太くんは、階数ボタンを凝視したまま動かない。
意気込んで来たくせに、どうやら流川に会うことにビビってるらしい。
「あのさ、いいんだよ? 別に私と流川、ケンカしてるわけじゃないんだからさ」
「いや! オトコに二言はありません!」
「あっそ……」
エレベーターの扉が開いて。
右足と右手が一緒に出てる光太くんと廊下に出ると。
「あれ? 流川?」
「どっ、どれですか!?」
「あれ」
「どれ?」
「あれだって」
指をさす先に、確かに流川。
……と、誰かいる。
「オネエマン?」
「彼氏がですか!?」
「……違う」
「オトコですよね?」
「……オンナの人?」
「ええっ!? 彼氏って言いましたよね!?」
「分かんない……」
「性別がですか!?」
微妙にかみ合ってる会話も上の空で、足を止めたままじっと見ていると、
「え……?」
顔をおおったオンナの人が、流川の胸に寄り添った。