Secret×Honey



……可愛い。
真綾ちゃんの可愛い笑顔で言われたら、あたしも引くしかない。

仕方ないなと呟き、光と千尋ちゃんの方に向き直る。




「光こそどうなのよ?」

「えっあたし?
あたしは……「ほらみんな、席着けー」



先生!!
いいところだったのに、先生の声によって遮られた。

光は安堵のため息。


絶対聞き出してやるって胸に誓って、自分の席に着く。

あの……微妙な席に。





あたしが着いた時にはもうすでに、憎たらしいアイツが座っていた。
しかも、前には光。

アイツはあたしを一瞥すると、ちょこっとだけ気まずそうな顔をして前を向いた。



嗚呼……なんか居心地悪い。

生徒会では、いつも希咲と話しているから文句や嫌味の一つも言えずにいる。




言いたいことはたくさんあるのに、それを口に出す時がない。



態度なんとかしてよ

とか

なんでそんなに避けるの?

とか

髪の毛、茶色すぎるでしょ

とか……




まだまだたくさんあるのに、口に出せずにいるのはどうして?

なんかもどかしいよ。















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