Secret×Honey



本当……いい加減にしてほしい。


気にしないようにすればするほど、聖夜が近付いてくるように思える。

離れたいのに、頭から離れてくれない。





「……悪ぃ」


聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で、聖夜が言った。

それなのにまだ、素直になりきれない心はあたしの全てを侵食していく…。




「…知らないよ」


あたしの強がり。
許してるくせに。

どうして隠して強がるのか、当の本人にさえもわからない。




「悪かったな……」



ばつがわるそうに頭をかいて、肩を落とす。

ほんの少しだけだけど、聖夜のことが可愛く思えた。



「…まぁ、素直じゃない美海が一番美海らしいけどな」





……一生の不覚だ。

こんなこと言うヤツが可愛いなんて有り得たことじゃない!



本当にキライ。

あたしやっぱり聖夜のこと、嫌い!!















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