空をなくしたその先に
もしあの時行くなと言われたら、どれほどがっかりしたか想像もできない。

実際、父が倒れて急遽国に戻らなければならないことになった上に、

見えない相手に追いかけ回されているわけではあるが。


「だから……君の両親も。

ヘクターって人もきっと同じように思っているんじゃないかな。

会ったこともない人たちだけど」


話し終えて、ディオはダナを抱きしめる腕に力をこめた。


「ディオ」


もぞもぞと体を動かして、ダナが顔をあげる。


「何?」


至近距離で見つめられてどきまぎしながら返すと、ダナの目元が柔らかくなった。


「あんたって案外いい人?」

「たまに言われる」


くすくすと笑いながら、ダナはもう一度ディオの胸に顔をうずめる。


ディオは、手を伸ばして毛布を取ると、しっかりと自分たちをくるみこんだ。
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