空をなくしたその先に
ごちゃごちゃといろいろな物が売られている場所とはいえ、

かつらなどそうそう見つかるはずもない。

先ほど入手したワンピースに合わせても違和感のなさそうな帽子を見つけたので、

代わりにそれを買う。

女性のファッションにはうといので、

正しい組み合わせかどうかはわからないが、

当面これで我慢してもらおう。

ひとまずダナのところへ戻ることにする。

他に買わなければならないものは山のようにあるだろうが、

あまり長い間彼女を一人で待たせておくのもどうかと思う。

買った物をすべてスーツケースにまとめて、
ディオは市を後にした。

北へと戻る足が、自然と急ぎ足になる。

考えてみれば、こんなに離れていたことなどない。

同じ船の中にいるか、同じ屋根の下にいるかだった。

早く戻らなければ。

それだけを考えて、ディオは半ば走るようにして森へと足を踏み入れた。


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