空をなくしたその先に
「ダナ!」


声をあげれば、奥の方から軽やかに落ち葉を踏みしめてダナが戻ってくる。


「やだ、その荷物何?」

「君の着替え」

「あらやだ……余計なのまで連れてきてるけど、お友達?」


スーツケースを差し出したディオの後ろに、ダナの視線は集中している。

慌ててふり返ると、いかにも柄の悪そうな二人組が立っていた。

二人とも体格がよく、どう贔屓目に見てもディオに勝ち目はなさそうだ。


「いや、これからお友達になるんだよ。

兄さん、ちょっと金貸してくれないかな?」


にやにやしながら、右に立っている男が言う。

もう一人がナイフを出した。


「貸すようなお金なんて……」

「古着屋のおっさんが言ってたぞ。

財布の中身すごい札束だったってな」

言いかけたディオの言葉を、ナイフを出した男が遮った。

ディオは唇をかんだ。

財布の中身まで見られていたとは、油断も隙もあったものではない。
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