空をなくしたその先に
反抗する隙を与えず、そのまま居間の方へと引きずっていく。


「お前なぁ、そういうことは人の部屋では遠慮しとけって」

「何もしてないって!」


居間のソファにディオをおしつけて、
フレディは目の前に腕を組んで立った。

ディオの主張を信じていないのだと、その眼差しは語っている。


「本当に何もしていないわよ?
抱き枕代わりに使われただけで」


寝室のドアから顔だけ出してダナが口をはさんだ。

それだけ言うと、すぐに顔を引っ込めてしまう。


「何もない方が問題だ!

お前、あんな可愛い子に添い寝してもらって

何もしないって失礼だぞ?」

「失礼ってそっちの話?」


ディオの話をぷちりとうちきって、フレディはため息をついた。


「俺はそんな情けない男にお前を育てた覚えはない!」

「育てられた覚えもないけど?」

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