空をなくしたその先に
音楽に合わせて、二人はゆるやかに動き始める。

最初はぎくしゃくしていた動きが、
数度のターンの後滑らかになる。


「次回があるなら、ぺったんこの靴履いておくわ」


そう言って、ダナはディオの肩に頭をもたせかけた。

肩にかかるわずかな重み。

その重みにディオの良心が痛む。

仲間たちの訃報を聞いたのはつい一昨日のことだというのに。


「……ディオ?」


重くなったディオの心を見透かすように、ダナが名を呼んだ。


「何?」

「……ありがと」

「……どういたしまして」


その言葉に、少しだけ心が軽くなる。

後ろめたさは完全になくなったわけではないけれど。
< 243 / 564 >

この作品をシェア

pagetop