空をなくしたその先に
足音一つしない。
例外は時々、彼女の首から下げられた真珠がかちりかちりとふれあう音だけ。
何度か角を曲がって、
屋敷の一番奥まった場所と思われるあたりにたどりついた。
廊下の両側にずらりと扉が並ぶ。
一番奥の部屋をフレディに割り当て、
真ん中をディオ、
一番手前にダナと決めると女性は手前の扉を開いた。
ブーツを脱がせてソファにダナを寝かしつけ、女性は言った。
「どうぞ、こちらでお待ちください」
軽やかにスカートの裾を翻す。
磨かれ、鮮やかな赤を塗られた爪が視界に残った。
「ここはどこ?」
扉のすぐ脇の壁にもたれてディオはたずねた。
肩が重い。
自分の力だけでまっすぐに立っているのは困難だった。
「マーシャルで一番安全な場所さ」
熱をはかるように、ダナの額に手を当てながらフレディは返す。
その手を払いのけられて、苦笑いの表情になった。
例外は時々、彼女の首から下げられた真珠がかちりかちりとふれあう音だけ。
何度か角を曲がって、
屋敷の一番奥まった場所と思われるあたりにたどりついた。
廊下の両側にずらりと扉が並ぶ。
一番奥の部屋をフレディに割り当て、
真ん中をディオ、
一番手前にダナと決めると女性は手前の扉を開いた。
ブーツを脱がせてソファにダナを寝かしつけ、女性は言った。
「どうぞ、こちらでお待ちください」
軽やかにスカートの裾を翻す。
磨かれ、鮮やかな赤を塗られた爪が視界に残った。
「ここはどこ?」
扉のすぐ脇の壁にもたれてディオはたずねた。
肩が重い。
自分の力だけでまっすぐに立っているのは困難だった。
「マーシャルで一番安全な場所さ」
熱をはかるように、ダナの額に手を当てながらフレディは返す。
その手を払いのけられて、苦笑いの表情になった。