空をなくしたその先に
すぐ後ろの地面が爆発する。

衝撃で車の後部が飛び上がった。

体勢を崩したダナが後部座席と前部座席の間に滑り落ちた。

背中の圧力がなくなったディオは、身体を起こそうとする。

もう一度引き倒された。


「頭あげないの!

だから押さえつけてたのに!」

ディオをもう一度ひざの下に押し込んで、ダナは後方を睨みつける。


「うーん、思ってたよりやばいかなあ。

一応別部隊と連絡は取ってるけど、到着までもう少しかかりそうなんだよね」


運転席のメーターを眺めながら、ルッツがうめいた。


「ビクトールか?」


この闇の中では相手に見えてはいないだろうが、ルッツはフレディに情けない笑顔を向けた。


「うん。
俺戦闘の役には立たないからなあ。
ただの整備士だし。

ダナ頼むよ?」


先日の戦闘で相当の被害を出したアーティカの方も手が足りない。

普段ならルッツがこんなところにかり出されることなど、ないはずなのだ。
< 333 / 564 >

この作品をシェア

pagetop