空をなくしたその先に
迎えの車に分乗して、一行はビクトールたちが兵舎として借り上げた宿へと向かった。

アーティカにも医師はいるが、クーフで先日の戦闘の後始末に追われているため、今回は同行していない。

近くに住む医師が、ビクトールの要請で宿で待機させられていた。

到着と同時にフレディは医師のもとへと運ばれていく。

ディオももう一人の医師に引き合わされた。

ダナとルッツはかすり傷程度でたいした怪我ではなかったから、

そのままそれぞれ割り当てられた部屋へと入り、体についた泥を落とす。

明るいところで確認してみれば、ディオの傷もかなりひどかった。

医師が顔をしかめる。


「顔の方は一週間ほどかかるでしょう」


傷口にしみる消毒液を塗りながら、医師は言った。


「お身体の方は大丈夫でしょう。

折れている骨もありませんし、内蔵も傷ついてはいないようです」


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